一般社団法人 日本共生社会推進協会 第2回 全国大会 プログラム

 

 

「インクルーシブな社会へ第一歩」

 

2020年11月1日(日)9:30〜18:00

 

9:30 大会長あいさつ(川村幸夫)

9:35 基調講演(小山望・代表理事)

 <基調講演要旨>

現在の日本は,経済的に豊かな国と言われながら,OECD 加盟国 36 か国のなかで相対的な 貧困率は約 16%で 28 位であり,6 人に 1 人は,貧困に苦しんでいるという状態である。恵まれた人々がいる一方で貧困にあえぐ人々がいて,経済的な格差が生じている。この富裕層と貧 困層は出会うことなく,別々に生きており,ここには共生は生まれない。この経済格差をなく し,低所得者を手厚く保証する所得の再配分を含む思い切った政治経済を改革しなければなら ない。インクルーシブな社会をめざすには,他者理解を基本とした「共感性」のある人を育成 することにある。それには,幼児期・学童期を通じて多様性を前提とした教育のなかで,障害 のある子どもとない子ども同士が互いに関わり,つながる力を身につけることである。インク ルーシブ教育の対象は障害のある子どものためにあるのではなく,すべての子どもが対象である。誰もが相手を思いやり,当事者の意識を持ち,互につながって生きていく教育が,排除のない社会,つまり共生社会を形成していくことができると考えている。No one will be left behind! 誰も置き去りにしない社会を作ろう!

10:00 第一部 シンポジウム

 「コロナ禍を生きて見えたことから」

 コロナ禍は私たちに「新しい生活様式」を迫った。その一方で格差は拡大し,貧困層など「弱 者」を直撃した。障害者,働く人々,学生,そして人々が生きる社会の「コロナ禍の現実」を見 据えてきた登壇者が課題を整理し,共生社会実現に向けた一歩となる手掛かりを探る。

司会: 内城喜貴(共同通信社客員論説委員)

シンポジスト:

 堀 智晴(インクルーシブ(共生)教育研究所代表)

 土屋憲一(日本産業カウンセラー協会代議員)

 小山 望(埼玉学園大学大学院心理学研究科教授)

 川村幸夫(東京理科大学名誉教授)

<発表概略>

内城:新型コロナウイルス感染症は私たちの社会や生活に変容を迫っている。テレワークが普及 し,働き方や生き方を見直す機会になった一方,失業率が増えるなど格差は拡大した。ウイ ルスは人種,職業,年齢などの属性を問わない。だが,コロナ禍は日本でも世界でもの「弱 者」に犠牲を強いている。コロナ禍を取材してきた立場から,格差拡大の実態や浮かび上がった問題点を提示し,議論の導入とする。コロナ倒産・失職・非正規雇用,シングルマザー,苦学生の苦境,人々のメンタルなどを話題とする予定。

 堀 :インクルーシブな社会は,多様な人で構成されているので,価値観の違いからややこしい こともおきる。これを具体的なかかわりあいを通して越えていくとより豊かになれる。コロ ナ禍の中で障がいのある人と出会い経験したことから問題提起したい。

土屋:コロナ禍で働く人を支援して見えてきたこと。コロナ禍で感染リスクを負いながら働く人 たちを実際に支援してきた立場から,非正規雇用の母子家庭の事例と医療従事者差別の事例 の 2つを紹介し,現場での支援のあり方や共生社会実現への道を探ります。

小山:未来におけるインクルーシブ社会の形成には,多様性を前提としたインクルーシブ教育が 有効である。インクルーシブ教育で未来の市民となる子どもたちの共感性を育てることがで きるからだ。しかし実際の学校教育でのインクルーシブ教育には課題が多い。今後、通常学 級でのインクルーシブ教育の推進には、子ども同士の関係性つくりをいかに取り組むかを探る。

川村:SDGs が大学教育にも採り入れられ始め,私たちの日常生活でも身近になりつつある頃,世 の中はコロナ禍に見舞われました。コロナによるさまざまな危難を乗り越える手立てを, SDGs17 の目標の視点から考えていきたいと思います。

 

13:20 学会紹介(書籍紹介など)

13:30 第二部 シンポジウム

「アフターコロナ:どんな未来にしたいのか」

      第一部での議論を受け,二部では現実(リアリティ)にフォーカスします。学生,障がい者,働く職場,学童保育,という4つの切り口から報告をして頂きます。そこから見えてきた新たな展 望,課題について4名のシンポジストからコメントを頂き,さらに皆さまとも議論していく予定です。

  報告1.鈴木萌々華(千葉商科大学1年)

   大学1年生にとってコロナ禍での学習環境はどうだったか?

報告2.三浦央稀(東洋大学4年)

   大学4年生の就職環境はどう変化したのか?

報告3.猪瀬智美(在宅勤務の重度障がい者)

   コロナが障がい者の暮らしに及ぼした影響について

報告4.若杉博雄(九重電気株式会社)

   働く現場はどう変わったのか,変わらないのか

報告5.西村悦子(放課後ディサービス 

   学童保育の現場から

<10分休憩>

上記の報告に対するシンポジストからのコメント

シンポジスト 角森輝美(福岡看護大学教授)

シンポジスト 土屋憲一(日本産業カウンセラー協会代議員)

シンポジスト 長谷川仰子(NPO リトル・クリターズ理事長)

シンポジスト 堀 智晴(インクルーシブ(共生)教育研究所代表)

 

16:30 情報交換会

参加費:一般 3,000 円,会員 2,000 円,学生および障がいのある方 無料

申し込み方法:ピーティック(Peatix)使用

(以下のアドレスにアクセスして申し込み手続きを行ってください。 

 https://peatix.com/event/1659412