「誰もが自分らしく輝くために」を大会テーマに「共生フォーラム2024」開催
一般社団法人「日本共生社会推進協会」(小山望代表理事)の第6回全国大会が10月25日(土)、神奈川県川崎市内の田園調布学園大学(同市麻生区東百合ヶ丘3-4-1)で開かれた。
今年の大会テーマは「誰もが自分らしく輝くために」。大会は午前の「インクルーシブ教育を推進しよう」と題したシンポジウムと午後の「ボトムアップで社会を変えよう-女性が輝くためにジェンダーギャップを解消しよう」の二部構成で行われた。午前,午後の部とも意欲的な活動報告に続いて活発なやり取りが展開した。
(以下「大会概要」として「午前の部」「午後の部」に分けて「前編」「後編」としてレポートします)(内城喜貴)
【前編】「午前の部」
◎多彩な登壇者の報告や問題提起でインクルーシブの現状と課題明らかに
大会は午前9時半に開会。「葛飾こどもの園幼稚園」園長の加藤和成さんの司会・進行で午前のシンポジウムが進んだ。冒頭、代表理事で田園調布学園大学大学院心理学専攻教授の小山さんが「約6年前に色々な方が集まって『多様性ある社会を実現したい』と、この協会を立ち上げた。小さな団体の活動だが、多様なメンバーが集まって少しずつ進んできた。(今大会は)午前はインクルーシブ教育を推進するためのフォーラム、午後は女性に視点を移して女性が輝ける(社会実現の)ためにはどうしたらいいかを考える機会にしたい」などと挨拶した。
加藤さんは「これまでの大会では毎回インクルーシブ教育の最先端のありのままの姿を取り上げ、これからのインクルーシブ教育の在り方を議論し、考える場として大切にしてきた。学校教育の現場は社会そのものと言われるように学校教育の現場がこれからどのように変っていくか、現状はどうなのかを把握することも大事だ」と述べてシンポジウムが始まった。
推進校での体験から重要な問題提起
最初に登壇したのは、インクルーシブ教育推進校の神奈川県立湘南台高校出身で現在田園調布学園大学共生社会学科1年の小野珠美さんで、「インクルーシブ教育推進校で学んで」と題して貴重な体験談を話してくれた。
小野さんによると、インクルーシブ教育の推進・実践校は現在、神奈川県内で18校を数え、今後も増えることを期待しているという。小野さんは湘南台高校では誰でも分かりやすい案内板の設置や、さまざまな連絡事項をホワイトボードで見やすくするなど、日々の教育の現場に細かい配慮がなされていることを紹介。学んでよかった点として「特性がある子があたり前な環境」「どの生徒も優しいこと」「特性がある子を特別扱いしないこと」を挙げた。
一方、良くなかった点として「受け入れているのは知的障害だけで身体障害は受け入れていないのでほんとうの意味でインクルーシブ教育かなと思った」と述べた。このほかにもインクルーシブ教育の授業がないことなどを挙げたほか、「インクルーシブ教育に(十分)理解がない先生もいた」と手厳しい指摘も聞かれた。これらの指摘は今後の教育現場で実践していく上での重要な問題提起となっている。
「問われているのは選別を容認する社会」
次の登壇者は社会福祉法人路交館理事長の尾﨏(おさこ)健二さん。「インクルーシブ保育の実践」と題して実体験に基づいた「障がい」児の共同保育の現状と課題などについて熱っぽく語った。路交館は1972年に地域の保育所、幼稚園から断られた2人の障がい児を受け入れたことをきっかけに75年に法人「保育所聖愛園」として再スタートした。
その後夜間保育所も開設。現在は保育・教育関係だけでなく、子育て支援やおとなを対象にした障がい福祉サービスなど、さまざまな活動を行っている。
尾﨏さんは聖愛園児の保護者として同園、保育士と出会った。以降、法人としての運営、業務に関わってきた。「保育の現場の人間というより、それを隣で見ている観察者として話を聞いてほしい」と前置きして「インクルーシブ保育、教育は障がい者を単に受け入れることではなく、インクルーシブ保育という手法があるわけでもない」と切り出した。
そして「統合保育」とインクルーシブ(包摂)という概念が出てきた後の「インクルーシブ保育」の違いを説明。「保育の現場では障がい者を受け入れて、ほかの子どもたちと同じように生活する。そのことにより健常児と呼ばれる子どもたちも一人一人違いがあるのが当たり前だということを大人も子ども認識できるようになった」と述べた。
また、インクルーシブ保育が「障がい児受け入れ」と捉えられがちである現状があるとした上で「問われているのは子どもではなく、保育所・幼稚園であり、選別を容認している社会だ」とした。さらにインクルーシブ保育を実践してきた立場から「子ども同士の育ち合いを大切にする」「子どもたちの姿から大人が学ぶ」「インクルーシブな感性を持った子どもたちが社会を変えていく」ことの重要性を指摘した。尾﨏さんが最後にこう強調した。「偏見を持たずにお互いの違いを受け入れる力がある子どもの姿から大人が学ぶことだ」。
「一諸であればいいということではない」
休憩を挟んで、インクルーシブ教育の推進に奔走している行政を預かる二人から報告があった。
まず神奈川県教育委員会教育局インクルーシブ教育推進課の二宮雄治さんが登壇し、「かながわのインクルーシブ教育の推進について」説明し、さまざまな施策を紹介した。二宮さんによると、インクルーシブ教育推進課ができて10年。こうした名が付く部署がある教育委員会は全国でも珍しいという。
インクルーシブ教育の考え方は1994年の「サラマンカ宣言」にさかのぼり、ここでは「万人のための教育、万人のための学校」が提唱されている。二宮さんは「誰一人取り残さない」というSDGs(国連持続可能な開発目標)の理念を引き合いに「インクルーシブ教育は世界共通の教育目標だ」と述べた。
神奈川県では2015年に「インクルーシブ教育推進の考え方」として「すべての子どもが同じ場で共に学び、共に育つことを目指す」教育理念をまとめた。そして22年には神奈川県が目指す学校教育の将来像として「すべての子どもが小学校・中学校・高等学校で学べる環境」の実現を掲げた。今年に入ってからは「フルインクルーシブ教育推進市町村」を指定して「すべての子どもが同じ場で学ぶこと」を研究、実践している。「通常級改革」と呼ばれる試みで、子どもは多様な存在で、全員参加型を目指すという。3月には神奈川県教育委員会と海老名市教育委員会が協定を締結している。
二宮さんは「インテグレ-ション(統合)からインクルーシブ(包摂)の構造にリデザインしなければならない。ただ一緒であればいいということではない。マジョリティ中心の議論にならないようにしなければならない」と指摘。「今後、10年、20年、30年とこの課が神奈川県にあり続けてはいけない。全ての行政の考え方がインクルーシブになったときには『推進課』という役割は閉じていくのだろう」と述べている。
「当事者目線」の福祉が重要
続いて神奈川県福祉子どもみらい局共生推進本部室の小林直人さんが「ともに生きる社会かながわ憲章と当事者目線の障がい福祉にかんする神奈川県の取り組みについて」紹介した。小林さんはまず、2016年7月の「津久井やまゆり園事件」に触れた。この悲劇を二度と起こさないために「ともに生きる社会かながわ憲章」が同年10月策定された経緯を説明した。この憲章は「ともに生きる社会の実現を目指す」との誓いから「私たちは障がい者の社会への参加を妨げるあらゆる壁、いかなる偏見や差別も排除します」などと宣言している。
そして、さまざまな障がいを抱えてたいへんな日々を送っている一人一人の意見をしっかり聞く「当事者目線」の福祉の重要性を強調。神奈川県としてもそうした福祉の実現を目指す宣言の下、「さまざまな取組みを行っている」と述べた。
具体的な事例として、障がい者が学校に出向いて児童・生徒にさまざまな苦労やそれを克服する努力などを伝える「学校出前講座」の実践を紹介した。そこでは、参加児童・生徒にはまざまな「気づき」があるという。また「分身ロボット」など先端テクノロジーを活用したプロジェクトの紹介もあった。
全ての人が平等に共有できる自然・環境を生かしたプログラムが重要
午前の部の最後に登壇したのは田園調布大学人間福祉学部社会福祉学科教授の和(かのう)秀俊さん。「インクルーシブ・カレッジの実現に向けて」と題して講話した。和さんはインクルーシブ教育の現状・課題について包括的に解説した。この中で和さんがまず日本での課題として挙げたのが教育の現場で障がいの有無にかかわらず共に学び、交流する機会や場はあっても学校教育が終わるとそうした貴重な機会や場がなくなってしまう現状だ。
大学で地域交流センター長も兼任する和さんはまた、地域での共生社会推進の活動のほか、「子どもから高齢者、障がい者など全ての人が平等に共有できる」自然・環境を生かしたプログラムの重要性を指摘。「特別な教育的ニーズを抱える彼ら(障がい児)が参加しやすいプログラムやシステムを検討する必要がある」と強調した。
つまり「環境福祉」の視点が重要だという。具体的には障がい者、高齢者による環境活動などが考えられ、具体的プログラムとして森林療法や園芸療法があるという。そして和さんは自然との共生社会の実現を目指す環境福祉プログラムを実施する「インクルーシブ・カレッジ」の推進を提唱している。
ライフサイクルを通じて
シンポジウムの最後に登壇者らとの質疑応答があった。ここで中心になったのは「インクルーシブ教育」の場としての学校の存在だ。尾﨏さんは「教育現場での先生の負担は大きい。現状では学校に収れんし過ぎではないか」と指摘し、町や地域が学校の役目も果たす考え方を提唱した。
小野さんの「理解不足の先生がいる」との体験談に対しては全ての先生、教師を対象にした研修の重要性を指摘している。二宮さんは幼児期の保育から初等・中等・高等教育・大学への連続したインクルーシブ教育が大切と強調。小山さんは「ライフサイクルを通じて考えることが重要」と述べた。
(【後編】「午後の部」に続く)
【後篇】「午後の部」
◎多様な実践活動が証明する「ボトムアップ」の大切さ
杉並での運動の成功例は全国で可能
午後の部「ボトムアップで社会を変えよう-女性が輝くためにジェンダーギャップを解消しよう」は午後1時開始した。NPO法人アジア太平洋資料センター(PARC)共同代表の内田聖子さんが「地域主権と公共の再生をめざしてー杉並区長選での住民の取り組みから」と題した基調講演を行った。午後の進行役はアステラス製薬勤務で日本共生社会推進協会理事の金丸徳敬さんが担当した。金丸さんは「社会を変えて共生社会にするならば市民の意見から変えていかなくてはならない」と午後の部のテーマを「ボトムアップで」とした理由を説明し、実際に「変えてきた」好事例を示し、活動成果を上げてきた内田さんを紹介した。
内田さんは2022年6月に杉並区長に選ばれた岸本聡子さんの事務所「ソシアルサトコズ」の事務局長を務めている。内田さんは世界各国の市民団体とも連携しながら国境を越えて幅広い市民活動を続けていたが、この間の NGOの活動を通じて旧知の間柄だった岸本さんに杉並区政を改革するために区長候補として白羽の矢を立てた。そして自ら選挙運動の先頭に立って「岸本区政」を誕生させている。
内田さんはまず、現在の日本社会の課題を俯瞰した。「貧困や格差の拡大、地域経済の衰退のほか、中間層の没落などの背景には経済のグローバリゼーションの拡大があり、新自由主義の負の部分があった」ことを明示するパワーポイント資料を映し出した。こうした現代社会の分析や危機意識が地域の住民による施策づくりや地域の視点からの政治参加の仕組みづくりの活動につながっているようだ。
内田さんは「自治体が担っているさまざまな公共サービスにも市場原理が入り込んで社会の格差も生じている」と述べた。そして、ごく少数の(権力を持った)人間による政治が行われて国内外は現在民主主義の危機にあるが、日本の中ではあきらめの風潮が見られる」と、指摘した。
続けて地域の活動として、問題意識をもった住民運動として、杉並区長選挙にコミットした経緯や運動の苦労などを紹介した。この中で「住民不在にならにように地域の中で多様な人の意見を政治に反映するための運動、活動が大切」「公共サービスの再生が課題」「区政のような地域の政治と国政はつながっている、連続している」などと述べた。
また、ボトムアップで社会を変えることは可能で、また変えることの大切さを強調している。選挙に関わったメンバーは皆、地域の課題を自分の問題ととらえ、選挙を「自分事」「自分の選挙」にして楽しみながらやっていたという。
「杉並区での運動の(成功)例は杉並だけでなく全国でも可能性がある。地域の中でいろんな人が立場を超えて問題を話し合えるプラットフォームがあれば、住民の(立場に立つ)代表が生まれてくる」。内田さんはこう強調して基調講演を終えた。
基調講演の後、休憩を挟んでジェンダーギャップの問題を主な焦点にした午後のシンポジウムが始まった。
地域で「ママさん」ら市民と共に活動―「医療のエコ活動」も
最初に登壇したのは「STORY」代表取締役で市民団体・一般社団法人「Miraiall(ミライアル)かわさき」副代表の松尾実里さん。テーマは「女性がイキイキ輝くまちづくり~新たなエコ活動を川崎から~」だ。
「Miraiallかわさき」の代表は平松あずささんで、平松さんはホームページで「私には吃音があり、なるべくその症状を出さないように生きてきましたが、音楽に支えられて音楽教室を立ち上げて会社を作るまでになりました。音楽という心の支えは希望です。その希望を見つけて行きたいと思いこの団体を作るきっかけになりました」と紹介してい
る。
松尾さんは「子育ても仕事も両方かなえたい。ママもきちんと対価をもらえる世の中にしたい」「川崎のママと川崎の企業の橋渡しをしたい」と2019年に起業し、「STORY」を立ち上げた。そして、地域コミュニティを確立して市民と共にビジネス化するために平松さんと2023年4月に「Miraiallかわさき」を発足させた。趣旨に賛同する多くの個人や企業の支援も受けながら多様で意欲的な活動をしてきた。そして「起業には勇気も必要だったが、(子育てもしながら)自由に働きたいという気持ちからできた」と当時を振り返っている。
松尾さんの会社の活動は実に幅広く、日々、その範囲を拡大している。児童発達支援、放課後等デイサービスなどの子ども支援から、女性のキャリアチェンジを推進するスクールを運営したり、「ママ」さんら女性の人材派遣やイベント企画などなど。こうした多彩な事業とコラボしながら「Miraiallかわさき」は「子どもたちの未来がより良くあるために社会的な課題を解決する」ことを目的にしているという。
松尾さんは多彩な事業展開、活動の一つとして「医療のエコ活動」も行っている。これは医療に関わる資源に限りがあることから、これらの資源を大切に使うことで新しい薬や治療法をいつまでも届けられる持続可能な医療を考え、築いていくことを目指す活動だ。松尾さんは「(海外で使われている薬が国内で開発が行われずに使えない)『ドラッグロス』などの問題があって届けたい人に適切な薬が届かない問題があるが、一般に理解が進んでいない」と指摘。スポーツの場や子ども向けに絵本と音楽を使った医療のエコ活動を展開している。
発達障がいのグレーゾーンについての理解を広げたい
続いて田園調布学園大学共生社会学科1年生の鈴木陽菜さんが登壇した。鈴木さんはミス・インターナショナル初代パンパシフィック日本代表で、「ミス・ティーンインターナショナルに出場した理由(ワケ)」と題して話しを始めた。
鈴木さんは2022年にミス・ティーンインターナショナル初代に選ばれたが、選定の評価基準では、外見だけでなく、人間性やリーダーシップ、責任感、社会貢献意識といった「内面の美しさ」も求められ、さまざまな苦労を経験しながら世の中に何かを強く発信させたい人たちが集まっている、と紹介した。
そして、二歳年下の弟が軽度の、「グレーゾーン」の発達障がいだったと明かし、「発達障がいのグレーゾーンについての理解を広げたいとの強い思いから(ミス・ティーンインターナショナル選考の場に)出場を決めた」と話し、米国での選考時の写真などを披露した。
弟が通っていた中学校は発達障がいに対する理解不足の教師が多く、教師の不適切な指導によりパニックを起こしてしまうなど、弟のさまざまな苦労をそばで感じていたという。鈴木さんは「通常級」に通う生徒の8・8%が発達障がいを抱えているが、その4割以上が適切な支援や配慮を受け入れられていないという文部科学省調査を示して「持ち物を忘れやすいなどの特性を持った子どもがいじめの対象になったり、自分が活躍できる場を見つけられずに自己肯定感が下がってしまう」などと問題提起した。
「(発達障がいとされる子どもを含めて)誰もが得意分野を持っていて、それを開花させっれる場所があれば劣等感が生まれることはない」「皆さんに伝えたいことは、適切な環境であれば自分自身の得意を生かせること、苦手なものにフォーカスしないこと、そして自分自身の特性を武器として理解することです」。自ら「学生講演家」と称する鈴木さんは明快な語り口で約20分の講話を終え,大きな拍手を浴びた。
互いに足りない部分を助け合い、補うことが大切
午後のシンポジウムの最後は一般社団法人「スマイルウォーキング倶楽部」代表理事の高木真理子さんが「ウォーキングで目指すノーマライゼーション社会の実現」をテーマに登壇した。
「元パリコレ」モデルとして活躍。その後、数多くの若いモデルを指導してきたことでも知られる高木さんは福岡県田川市出身で、映画「青春の門」の舞台となった炭鉱の町で幼少期を過ごした。小学校5年生で173センチの高身長は当時コンプレックスだった。しかし「人と違うことがNGなの?」と「開き直りの法則」で考え方を変えて、自分基準でものごとを判断できるようになったという。
2016年に「スマイルウォーキング倶楽部」代表理事として、知的障がい児、知的障がい者とその家族にウォーキングを通してファッションで自己表現する楽しさを指導してきた。また、知的障がい者と健常者をつなぐファッションマガジン「Just Smile!!」をインターン学生と一諸に企画、編集し、発行部数1万部を誇っている。
高木さんが障がいがある人たちと接したり、指導する上で意識していることとして次の8つを挙げた。
「特別扱いしない」「仲間として話しかける」「相手が何を言っているか分からないときは分かったふりをしないで何度でも聞き返す」「回りができないと決めつけずに諦めないで一緒にやる」「人との距離感(を保つ)」「人の可能性を周りが決めつけずに育てようとする気持ちが大切」「生徒も指導する側も身だしなみやマナーも守る(社会性を育てる)」「目を見て挨拶する(アイコンタクト)」。いずれも障がいを持つ多くの人々と正面から向き合い、ともに歩んできた実体験が生んだ説得力ある8項目だ。
高木さんは講話の終えりに「人によって皆、違う『普通』があるがそれでいい」「人々がお互いに足りない部分を助け合い、補うことで、知的障がいのある人たちも普通の生活ができる」と強調した。力強い口調から「誰もが普通に人生を送れる社会」「ノーマライゼーション社会」の実現を諦めずに、これまで作ってきたやり方での実現に自信がうかがえた。
この後、午後の登壇者らによるパネルディスカッションがあり、和やかな雰囲気で意見交換が行われた。大会の最後に日本共生社会推進協会理事でジャーナリスト(共同通信客員論説委員)の内城喜貴(本レポート担当)が挨拶。「午前、午後の部を通して実に多様な活動、挑戦の報告があり、課題解決のために共通すること、共通キーワードがたくさんあった。今の国内外を取り巻く状況は厳しく、ついネガティブに考えがちだが、今日の皆さんの報告を聞いて私たちの協会も元気をもらった。これからも未来に悲観しないで(今大会テーマの)『誰もが自分らしく輝ける社会』、共生社会の実現を目指して活動を続けていきたい」と述べて午前、午後わたる長時間の2024年の大会は閉会した。
<集合写真>
10月26日(土)9時30分~17時00分、田園調布学園大学(小田急線「新百合ヶ丘駅」下車)におきまして、日本共生社会推進協会第6回全国大会(田園調布学園大学地域交流センター共催、川崎市教育委員会後援)を開催いたします。
「~誰もが自分らしく輝くために~」のもとに、基調講演、シンポジウムでは各分野で活躍されている方々の発表およびコメンテーターからの講評、またパネルディスカッションを行う予定です。開催概要は下記のとおりです。多くの皆さまのご参加をお待ちしております。
お申し込みは、Peatix(下記QRコード、または https://peatix.com/event/4124409 )よりお願いいたします。
「共生社会学入門ー多様性を認めるソーシャル・インクルージョンをめざしてー」
2024年3月10日発行 福村出版 定価2300円
代表理事 小山望 編著
(田園調布学園大学共生社会学科長・教授)
田園調布学園大学人間福祉学部共生社会学科の教員を中心に共生社会を理解するテキストを執筆しました。
内容として、
・ソーシャルインクルージョンとは、我が国における地域共生社会の展開、子どもの相対的貧困、シングルマザーの就労支援
・高齢者福祉と共生社会、障害児の心理・福祉・教育と共生社会、多文化共生過去と現在、男女共同参画社会と共生社会(ジェンダー平等)
・共生社会学の予見的考察、インクル-シブ教育の実践(幼児期を中心に)、インクルーシブ教育の実践(小学校、中学校、義務教育学校)
・インクルーシブ教育の実践(特別支援教育教育) 基礎教育保障と共生社会 地域共生社会へのコミュニティ心理学的アプローチ
本書のなかで、 「インクル-シブ教育の実践(幼児期を中心に)」は小山望代表理事が、 「共生社会学の予見的考察」は藤原亮一理事が執筆担当しました。社会にある多様性を理解して、共生社会を実現するための基本的な道しるべとして活用が期待できます。
「だれもが大切にされるインクルーシブ保育」
2023年8月30日発行 建帛社 定価2200円
代表理事 小山望 編著
(田園調布学園大学共生社会学科長・教授)
著者 加藤和成理事(葛飾子どもの園幼稚園)
堀智晴 顧問(インクル-シブ共生教育研究所)
中鉢路子理事
(愛の園ふちのべこども園・青山学院大学助教)
尾﨏健二理事
(幼保連携認定こども園聖愛園・路交館理事長)
本学会の代表理事を含め上記の4人の理事が本書の執筆に加わりました。
インクルーシブ保育の方法や実践の様子が手に取るように、詳細に書かれてあります。これからインクル-シブ保育を進めていこうと考えている幼稚園、保育所の保育者の方々にお薦めします。
是非読んでください。インクルーシブ保育を実践するうえでの様々なアイデアやヒントがたくさん描かれています。
活動記録(全国大会)
活動の記録(年別)
協会紹介(英語版)
一般社団法人 日本共生社会推進協会
【事務局】
〒211-0004
神奈川県川崎市麻生区東百合ヶ丘3−4−1
田園調布大学人間福祉学部共生社会学科
藤原亮一研究室
【お問合せ】
日本共生社会推進協会
E-mai: info@inclusive.or.jp
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